次の日……生徒会室には三人の男女の姿があった。
「えっ和樹に?」
「御意……斉藤和樹に他校の彼女ができるのをこの剥離がしかと見届けました。」
「僕もいたんだけどね……。でもなかなか可愛い子ではあったよ……瑞樹君ほどじゃないけど
ね」
「うむ……確かに……瑞樹様の方が何倍も……たわらばっ!」
「黙ってて……!」
私は剥離の顔を蹴り飛ばす。 一応先輩だから問題あるかなとは思うが、そんな気遣いがで
きるような状態ではなかった。
なによ……人がせっかくみんなに命を狙われて可愛そうだからそろそろ許してあげようと思っ
たのに自分はさっさと彼女作っちゃうなんて……告白の返事もまだなのに……それともあの
『ゴメン』はやはりそういう意味のゴメンだったの……?
イライラと切なさで爪を噛んでいると周防がおもむろに話し始めた。
「しかし……和樹君も大した男だね。人が愛の告白をしたのに返事をうやむやにして他の女と
付き合うとは……」
「まったくだ……けしからん!所詮はその程度の男だったか……」
「べ、べべ、別にまだ彼女と決まったわけじゃ……ないんでしょ?」
「ええ……まあ……ただあの雰囲気はすでに恋人でもおか……」
「わーーー!」
恐ろしい指摘を思わず大きな声をだしてさえぎる。
「と、とにかく……まだ決まったわけじゃないんだから!とりあえず和樹に話を……聞いてみ
ましょう!そうよ、きっと何かの勘違い……そう……きっと……そうよ……」
私は先輩達二人を引き連れて和樹を探しに生徒会室を出る。